- 金融商品販売のプロ
- 不動産業者が「変動」を、銀行が「固定」を勧める理由
- 長期固定は保険料を支払っているという考え方
- 保険料は売る側が決めるという絶対原則
金融商品販売のプロ
証券会社や保険会社、銀行などは「金融のプロ」として自らをPRしたり、一定数の一般人にもその考えはあると思います。しかし、
- 新卒入社や転職時、知り合いに医療保険や生命保険の加入を勧めて好成績を上げる保険会社の人
- 自分では投資していない(勤務先の規定で出来ない)のに投資信託や個別株を勧め、自社の収益に貢献する証券会社の人
- 融資を通す社内手続きに長け、優績者として評価される銀行員
このような人達は、勤務先での評価が高く、ビジネスパーソンとして優秀な「販売のプロ」です。私たち個人投資家にとって頼りにすべき「金融のプロ」とは、スキルや経験もそうですが、なによりも一連の取引で目指す目的が異なるというのは分かると思います。
不動産業者が「変動」を、銀行が「固定」を勧める理由
住宅販売、ローンの実行において、不動産業者、銀行の融資担当者、共に自社の収益に繋がる働きかけを購入予定者に行います。
「無理してこの額の物件買わない方がいいですよ」とか、「当行の基準は満たしていますが、実際には返済キツいと思いますよ」とは言いません。
不動産業者が「変動」を勧める理由はネット記事などで注意換気と共によく引き合いに出されるので比較的認知されているように思います。
その一方、銀行はどうでしょう。「これ以上金利が下がる可能性は低いから、今のうちに長期固定で組んだ方が良い」と、長期固定を勧められるケースが多いのではないでしょうか。
長期固定は保険料を支払っているという考え方
「金利変動により支払い額が増加する可能性を排除するため」というのを理由に長期固定を勧めるわけですが、リスク商品である投資信託を売っている会社が言っていると思うと納得し難いところがあります。
長期固定プレミアム(長期固定金利と変動金利の差額)は、言い換えれば保険料と同じです。銀行にとって、変動金利型の住宅ローンは今や儲からない商品ですが、「金利固定保険」というオプションを購入してもらうことで、多少なりとも利幅を増やそうというのはとてもよく理解できます。
保険料は売る側が決めるという絶対原則
借りる側にとって、完済時に変動、固定どちらが良い結果になるかは誰にも分かりませんが、少なくとも貸す側にとっては固定の方がメリットがあります(高い金利で貸せる。返済額の増加を理由とした返済不能に陥るリスクを防げる)。
そして”金融のプロ”は、その保険料の水準を決める際、当然ながら自らが損をしないであろう水準に設定します。