金利にまつわるこの2つの用語ですが、普通の会社員にとっても、「変動金利は短期プライムレートに連動する」というような説明を住宅ローンの検討をしている時に目にしたりします。
- プライムレート(prime rate)とは
- 長期プライムレートとは
- 短期プライムレートとは
プライムレート(prime rate)とは
「長期」「短期」と頭につく前の「プライムレート」とは何か、というところからですが、「銀行が企業に融資を行う際の最優遇金利」と理解しておけばよいと思います。
最優遇金利とは、財務状況などから判断して債務不履行となる可能性が極めてい低いと考えられる優良企業に貸し出しを行う際に適用する金利のことです。その他の企業の場合は、信用度に応じてプライムレート+αの金利が適用されることになります。
長期プライムレートとは
金融に関する文脈で「長期」という言葉が出た場合「1年以上」の期間を指すことが多いですが、プライムレートに関しても同様に貸出期間が1年以上のものを長期プライムレートと言います。
長期プライムレートの推移は日本銀行のホームページで公表されており、そこではみずほ銀行のレートが掲載されています。
長期プライムレートは金融機関の5年物普通社債の発行利率に基づいて決定されているため、日々変動する国債マーケットの影響を受け上下します。そのため、長期プライムレートは短期プライムレートに先行して動くという特徴があります。
短期プライムレートとは
- 1年未満の短期貸出の最優遇金利
- 各銀行が独自に決定
- あまり変動しない
長期プライムレートが1年以上の貸し出しを行う際の最優遇金利を示すのに対し、短期プライムレートは1年未満の期間で貸出を行う際の最優遇金利でです。
短期プライムレートも、日銀のホームページに掲載されていますが、各銀行が独自に決めていることから、最頻値、最高値、最低値の3種類が掲載されています。
リンク先にある推移からもわかるように、長期プライムレートが債券市場の影響を受けて変動しているのに対して、短期プライムレートは2009年以降、マイナス金利政策導入(2016年2月)後も動きがありません。銀行にとってはマイナス金利政策が導入されたとは言え、貸出金利は収益に影響するため、この水準以下に下げることが難しいという背景にがあるからです。