コロナ禍でiDeCo(イデコ)はどうするべきか?

老後資金作りのための制度であるiDeCo(イデコ)。

老後の備えは大事なことではありますが、今現在の生活を安定させることも重要です。

コロナ禍でも堅調、iDeCoの加入者状況(大和総研レポート)

新型コロナウイルス感染症拡大による経済や雇用への影響がある中でも、今のところiDeCoの新規加入者数が大きく落ち込んでいるということはない。当面は実効性ある対策で景気の安定を図ることが最優先課題であると同時に、アフターコロナを見据えつつ人生100年時代に向けて自助による備えの重要性を意識づける啓発活動の強化も求められているだろう。

https://www.dir.co.jp/report/research/capital-mkt/asset/20201224_021983.html

上の大和総研のレポートにあるように、コロナ禍でも新規加入者数は減っていません。

会社員の家計に照らして考えてみると、同僚や友人との飲み会、ゴルフ、家族での外食や旅行といった、レジャーや交際費などは明らかに減っていると思われますが、老後資産形成は着実に行っているという実態が見えてきます。

家計の資産、収支を再確認することからはじめる

2020年は新型コロナウィルスの影響で日本経済全体がネガティブな影響を受けました。特に影響を受けているのが、ホテル、航空会社などの観光、旅行業界、そして、そして外食業界(飲食店)です。これら業界で働いている方の中には、今後の収入に不安があるという方も少なからずおられるかと思います。

このような状況において、iDeCoに限らず将来必要となるお金、老後資金作りはどのように取り組めばよいか考えるにあたっては、まずは現状分析をしてくことが大事です。

手元のお金を4つに分類

まずは、今現在のお金を4つに分類します。

  1. 日常生活費 (毎月の生活費の1.5ヶ月程度が目安)
  2. 生活防衛資金 (生活防衛資金として、日常生活費の12ヵ月程度)
  3. ライフイベント準備金(5年以内に使う予定が決まっているまとまったお金)
  4. 老後資金(上の3つにあてはまらないお金)

iDeCoの掛金額を考えるにあたっては、上で書いた手元のお金1~4のうち、1~3が今どうなっているかを確認します。

(計算例)年収650万円、手取り額500万円のケースで計算

会社員を想定した例として、次の設定で考えてみます。

収入

 年収(額面)650万円、手取り額500万円 ⇒ 手取り月額約41万円

支出

 月額30万円

 ※住居費、水道光熱費、食費、各種保険料、趣味のお金などすべての支出

貯金

 500万円

確保すべき日常生活費

上の支出で月額30万円を想定したので、確保すべき日常生活費は

30万円×1.5ヵ月分=45万円

確保すべき生活防衛資金

月の生活費30万円の1年分(12ヵ月分)が、確保すべき生活防衛資金なので、

30万円×12ヵ月分=360万円

ライフイベント準備金

翌年に第1子が誕生する予定という想定を置きます。

出産費用の平均額の50万円から出産一時金として支給される42万円を差し引いた金額を想定

50万円ー42万円=8万円

1~3にあたるお金の確保が優先

老後資金作りの前に、1~3にあたるお金が確保されていることを確認します。

今回の例では

日常生活費45万円+生活防衛資金360万円+ライフイベント準備金8万円=413万円

という計算になります。

老後資金

最後に老後資金ですが、計算例だと、貯金500万円から1~3の合計額413万円を差し引くと87万円の余剰資金があることになります。

iDeCoの掛金額として妥当な金額は?

条件1:1~3の資金がすべて確保されているか

計算例では確保されていました。

条件2:毎月の収支は収入が上回っているか

計算例では月の収入41万円に対して支出は30万円で、11万円ほど収入が上回っています。

条件1と2を満たしていれば、老後資金作りはiDeCoで行うことが望ましい

資産の面では余剰資金の87万円、毎月の収支の面では11万円が老後資金に振り向けることができるお金です。

(結論)iDeCoの拠出限度額

勤務先で企業型DC(企業型確定拠出年金)や確定給付年金(DB)の制度がない場合、iDeCoの拠出限度額は月額2.3万円(年額27.6万円)です。

コロナ禍でiDeCoへの拠出をどう考えるかという点では、まずは条件1(日常生活費、生活防衛資金、ライフイベント準備金の確保)と条件2(収支の黒字化)が最優先です。iDeCoは原則60歳まで資金を引き出すことはできませんが、掛金の減額や掛金の拠出を一時的に停止することは可能です。

今回の例のように、条件1と2を満たしているのであれば、iDeCoの非常に強力な税制メリットを活かすためにも、可能な限り(会社員の場合は最大でも月2.3万円)iDeCoの拠出枠を利用するのが会社員のマネーハック的には得策と考えます

また、iDeCoの拠出枠を可能な限り利用した上で、余剰資産や毎月の余剰収支を一般NISA、つみたてNISAの制度利用し、5年より先のライフイベント資金&老後資金作りをするのが望ましいと思います。

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